大下への真宗伝来は、慶長頃に今治常高寺の開基である了空によるもので、同じ頃彼は芸州豊田郡、安芸郡にも布教し、千戸の門徒を得たという。
万治頃、キリシタン取締りの強化によって、四か寺の新寺建立が認められ、法珠寺もその一つと伝える。
堂宇の建立・開基は宝永三年(1706)六月、加藤善龍で、当初は常高寺の隠居寺であった。
文政十二年本堂を再建した折に草葺を瓦葺としている。
歴代住職も研鑽に努め、法用の合間には上京したが、天保八年八月に智観、嘉永六年六月に智教、明治四年六月に浄観らが、藩許を得て出京した記録が残っている。
法珠寺の門柱は大正6年に建立された珍しい様式。上部にアーチがあった。 |